ダポキセチンの副作用

目次
主な副作用
精神障害
消化器障害(吐き気、嘔吐、便秘、下痢など)
神経障害

ダポキセチンは短時間作用型のSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬) であるため、吸収性が高く、急速に代謝され、急速に排泄される薬物です。 服用1時間後が最も効果が高く、5~6時間後に効果が現れ、最大24時間後に成分の90%以上が体外に排出されています。

そのため効果はもちろん、副作用が仮に発現した場合にも、薬学的にはそれらは24時間以内に消失することになります。研究開発段階の臨床試験によるデータや市販段階からの市場調査から判断すると、ダポキセチンの単独使用においては基本的には重い副作用は少ないとされています。

しかし、基本的に薬剤は体内にとっては異物であるため、副作用のない薬剤はありません。実際、ダポキセチンで発生する副作用は10%未満です。これまでの報告例など参考に、ダポキセチン服用で見られる副作用をまとめていきましょう。

主な副作用

早漏患者を対象とした各国での臨床試験において、また市販後報告において、確認されている副作用は以下になります。

精神障害

不安や不眠などの症状が現れることがあります。 ダポキセチンによる不安や不眠は、早漏や性的興奮による不眠などの不安が元になっている可能性が高いため、薬剤が原因かどうかは断定できません。

しかし、SSRIに限らず、神経伝達物質に関わる薬剤においては考えられるリスクであり、慣れることで治まる場合がほとんどです。

消化器障害(吐き気、嘔吐、便秘、下痢など)

吐き気やむかつき、便秘、下痢などの症状があらわれることがあります。飲みはじめに多い症状で、セロトニンが脳の中にある吐き気や便意をコントロールする器官を刺激することで起きるものと考えられており、ダポキセチンに限らずSSRIにはよく見られる症状です。 多くの場合は、使用回数を重ねることで治まってきます。

神経障害

頭痛やめまいなどの症状があらわれることがあります。神経伝達物質は血管の収縮と拡張に作用していることから、脳血管に作用することで頭痛が血圧にも少なからず関わってくるため、めまいなどの症状があらわれると考えられます。

セルトラリンの服用方法について

目次
セルトラリンの注意事項
主な副作用
消化器症状
注意が必要な患者さん

主な投与服用として、初期用量は1日1回25 mgから開始します。 その後、1日1回100mgに増量します。 年齢・症状により適宜増減されますが、1日100mgを超えまてはいけません。

セルトラリンの注意事項

主な副作用

承認前のセルトラリンの主な副作用は次のとおりです。

悪心(嘔吐前の胃のむかつき):2%

傾眠(眠気):3%

口渇:2%

頭痛:8% 

下痢:0% など

投与を始めるときは「賦活症候群」に注意が必要です。賦活症候群は、SSRI などの抗うつ剤の副作用の1つであり、初期刺激症状としても呼ばれています。 症状としては気分の気分の高まり、不安や焦り、不眠症などが一般的ですが、状態が悪化すると、自傷行為や自殺行為に至るケースもあります。これらは服用開始から約2週間以内や増量時に起こりやすいと言われているので、この時期は特に注意が必要です。 医師または薬剤師の指示に従って服用し、定期的に医師の診察を受けてください。

消化器症状

また、他のSSRIと同様に、吐き気や下痢などの「消化器症状」が頻発する傾向にあります。 神経伝達物質であるセロトニンは、不安などの感情以外にも消化管の調節作用があるため、胃腸症状が副作用として現れる可能性があります。 また、眠気も発現する可能性があるので、車など危険を伴う機械の運転は避けるようにしてください。 一般に、これらの副作用は投薬開始時に発現頻度が高く、徐々に収まっていくことが多いとされています。症状がひどい場合、医師は症状を緩和するための薬を処方することも可能です。

注意が必要な患者さん

以下の患者さんは次の場合にはセルトラリンを服用することができません。

モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中または投与中止後2週間以内の方。

MAO阻害剤と併用すると、セルトラリンの分解が阻害されてしまい、作用や副作用が強く生じることがありますので、併用しないでください。その他にも頭痛薬、胃薬、ドラッグストアで買える薬の中にも併用するには注意が必要な薬もありますので、今現在何かお服用中の薬がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。

セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)とは

セルトラリンは、米国ファイザー社によって合成されたSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害剤) に分類される抗うつ薬で「ジェイゾロフト」という商品名で販売されています。 現在は多くのジェネリック医薬品が市場に出回っており、その場合、商品名に「セルトラリン」とつきます。

セルトラリンには、通常の錠剤とOD錠剤があります。OD錠とは、水なしで手軽に服用できる、口の中で素早く崩壊する口腔内崩壊錠です。 普通錠とOD錠の効能・作用時間は同じで、薬価もまったく同じです。

セルトラリンは、1990 年にイギリスで初めて販売が開始された後、2006 年から日本で最初に販売されました。 当初の適応症は「うつ病」と「パニック障害」でしたが、2015年に「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」の適応症が追加されました。 パニック障害とは、突然強い不安や恐怖を感じ、めまいや発汗、動悸などの症状が現れる病気です。 心的外傷後ストレス障害とは、過去に強烈なトラウマ的な出来事を経験し、それから時間が経った後でも、そのトラウマを思い出したり悪夢を見たりする障害です。セルトラリンは、これらの症状にも有効であることが認められています。

セルトラリンの作用について

セルトラリンは、中枢神経系においてセロトニン神経に作用し、優れた抗うつ作用及び抗不安、抗パニック障害効果を発揮します。 セロトニンは、特定の神経機能を調節する神経伝達物質です。 うつ病の患者さんは、セロトニン神経の働きが低下しているため、不安になりやすいとされています。 セルトラリンは、脳内においてセロトニン レベルを増加させる効果があり、それにより症状を改善する脳内の変化を徐々に引き起こします。

セルトラリンを服用しても、うつ病の症状がすぐに良くなるわけではありませんが、少なくとも1〜3か月は服用し続ける必要があります。服用直後は脳内のセロトニン量が増加しますが、うつ症状の改善に重要なのはそれだけではなく、弱ったセロトニン神経を通常の状態まで活性化させたり、新たな神経が新生されることが大切です。そのため、症状の改善には根気よくお薬を続ける必要があります。